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情報商材:儲からない話

コロナ禍により、多くの人が自宅待機を余儀なくされ、不運にも収入源を失ってしまうなど経済的に困窮する中で、自宅で手軽にできる副業というオプションがこれまでになく注目を集めています。自宅でパソコン一台で手軽にできて、一日数時間の作業で安定した収入が得られるなら、その秘密を知りたいと誰もが思うはずです。

このような「秘密」は俗に情報商材と呼ばれ、専用のポータル市場も存在するほど日本では大きなビジネスで、その規模は年間200億円以上とも言われています。資本金や経験がなくても手軽に始められて、短期間に経済的自立を達成することができる、などという広告とともに、SNSを含めてインターネット上では様々な情報商材が売られています。商品は情報なので、PDF形式などでダウンロードできるデジタルコンテンツであることが一般的です。購入すれば特典としてDVDがついてきたり、何ヶ月かのサポートが保証されていたり、またセミナーへの参加権利やサポートグループにメンバーとして入会することができる場合もあります。

金額は決して安くないものがほとんどですが、「少しでも皆さんの負担を軽くしたいという気持ちからここまで安くしました」などといった文言が添えられている場合も目立ちます。「ビジネスを始めれば、短期間で収入も上がることが期待できるので、資本はすぐに回収できますし、万が一期待された結果がついてこなければ、全額返金保証」、などと謳っていることもあります。このように、初心者に易しく手をつけやすい副業であることを窺わせているのが情報商材の特徴と言えます。

もう一つの特徴は、その手軽さや成功の保証、特典のメリットなどが華々しく言葉を尽くして説明されている一方で、肝心の情報商材そのものについてはあまり詳しい説明がないことです。デジタルコンテンツなので、実際に購入するまでは中身を見ることができず、広告文句につられて購入した結果、思っていたものと違った、という落胆につながることも十分に考えられます。特に「簡単に始められる副業」としてもてはやされているのがいわゆる転売、特に無在庫転売ですが、それが本当に安定した収入源となるのかはともかく、そもそもフリマ市場等で無在庫転売を行うことは規約により禁止されている事がほとんどです。

このような情報商材を手にして、思ったようには収入が得られないと悟った消費者が、返金を求めたとしても、「サポートは続けるから◯ヶ月はトライすること」「収入が約束されたように伸びないのは購入者の努力が足りないせい」などとかわされて、返金を拒否されるケースも報告されています。

情報商材に関わるトラブルが過去数年にわたって増加し続けていることは、国民生活センターなども把握しており、消費者に対する一般的な注意喚起を繰り返し行っています。消費者庁も、問題のある事業者の情報を消費者安全法に基づいて公開し、随時注意喚起を行っています(最近の例)。また、こうした事業者に業務停止命令が出されたケースもあります。

「簡単」「儲かる」という言葉に惑わされて消費者が経済的な損失を受けるだけではなく、このような事業者はペイメントプロバイダにとっても、チャージバックのリスクが高いビジネスであり、また宣伝文句によっては「誇大広告」と見なされ、規制機関からの監視リスクも高まる可能性があります。

レジットスクリプトは消費者心理の弱みにつけ込んだ広告販売を行う事業者を監視し、ペイメントプロバイダへチャージバックのリスクをも軽減するべく、モニタリング業務を提供しています。

 

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